ケルフィリー城
Caerphilly



ウェールズの名城の一つに数えられるケルフィリー城は、ウェールズの南東部、ウェールズの首都カーディフから電車で約20分ぐらい北に行ったケルフィリーの町にあります。ケルフィリー城は、十字軍遠征で学んだ中東式の築城術を取り入れたエドワード式城砦の名城です。駅からショッピングセンターの間を抜けて10分ぐらい行くと、水濠に四方を囲まれた巨大なケルフィリー城が姿を表してくれます。見た瞬間に「すごく大きいなぁ」と思ったのですが、それもそのはず、ウィンザー城ドーバー城に続いてイギリスで3番目に大きなお城なのだそうです。

ウェールズでCae-というアルファベットで始まる地名はたくさんありますが、それらのほとんどが、ローマ人時代その地にローマ人によって築かれた駐屯地や町があった場所なのだそうです。(イギリスで、最後に-chesterが付く地名もそうです)ケルフィリーもCaerphillyというように、ローマ人によって築かれた砦があったそうですが、現在見られる城は13世紀後半にノルマン人のギルバート・ド・クレアが築いたものです。

広大な人工湖のなかに浮かぶケルフィリー城は、厚い城壁によって二重に囲まれており、内郭には塔や強固な防御力を誇るゲートハウスグレイト・ホールなどがあります。ピサの斜塔ならぬケルフィリーの斜塔は、内郭の南東部にあります。近くに寄って斜塔の壁を眺めてみると、いかにその壁が厚くできているかが確認できます。

中世時代には、王の側近の大貴族たちによって所有され、難攻不落の城としてその名を覇せたケルフィリー城ですが、イギリス中の多くの城がそうであるように、清教徒革命の際議会軍の手によって破壊され、20世紀に入って大富豪の第3代ビュート候によって再建されるまで荒廃の一途をたどっていたそうです。ヘンリー7世の叔父であるジャスパー・チューダーもこの城の所有者だったことがあるそうです。それにしても3代目ビュート候って、ケルフィリー城だけでなく、カーディフ城カステル・コッホも再建したりして、本当に大富豪ってうらやましい限りですねぇ…。


現在城は、CADW:Welsh Historic Monumentsによって管理されています。



ケルフィリー城への行き方:ケルフィリー城から約1キロ。





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