カステル・コッホ
Castel coch



カーディフから電車で約20分ぐらいのところに、ディズニーの「眠れる森の美女」のモデルになったといわれるカステル・コッホがあります。1870年代に、カーディフ城を絢爛豪華に飾った大富豪の第3代ビュート候によって、このカステルコッホも作られました。第3代ビュート候はカーディフ港からの収入によって、世界一の大金持ちと呼ばれたほどの人なのだそうです。

19世紀のイギリスではなぜか中世時代が大流行となり、ロマン派芸術家たちが中世を題材にした絵画や小説を生み出したのだそうです。第3代ビュート候もこの流れにのっとって、財産にモノをいわせて中世時代の城の模倣品をいくつも作ったわけです。でもこのお城は新しすぎて、廃城好きな私にはあんまり興味の沸かないお城だったのですが、“実はカステル・コッホは13世紀に建てられたお城の廃墟の上に作られている”という話を聞き、「これは行かねば!!」と思い立って訪れたのでした。

そういうわけなので、私のお城見学の興味は内装ではなく、もっぱら外側。内装は、カーディフ城に負けないぐらいきらびやかで、壁に使用されているタイルの絵も綺麗だし、天井も綺麗。家具も装飾も立派。カーディフ城と違って、内部の写真撮影が許可されている点は、カーディフ城よりもはるかに良かったと思います。でもねぇ…。やっぱり私は興味なしです…。

お城を外側から見てみると、確かに古いお城の存在を見ることが出来ます。城の土台を見てみると、下部の石の色が上部の色と違っていて、現在の城は確かに元々あった古い城の上に建てられているのだ、ということがよく分かります。この地には、1240‐65年頃ウェールズ人によって城が建てられたのだそうです。赤い砂岩で作られた当時の城の名前は、同じ“カステル・コッホ”といい、ウェールズ語で“赤い城”という意味なのだそうです。キープは4階建てで、城壁は3.3メートルもの厚さがあったそうです。城はその後1270年‐80年頃、イングランド人のギルバート・ド・クレアのものとなり改築がなされたそうですが、その部分は現在ではほとんど見ることができないそうです。

カステル・コッホはタフ渓谷のうっそうと茂る森の中にあり、城へ続く坂道から木々に囲まれたゲートハウスを見ると、神秘的な雰囲気を感じることが出来ます。ただ、そういうひっそりとしたところに立っているので、電車の駅から歩くと遠いのが難点ですね。私は、ケルフィリー城を見た後、ケルフィリー駅前にあるタクシー乗り場からタクシーに乗って、カステル・コッホに行きました。帰りは駅まで歩いたのですが、城から駅までの明確な標識が全然ないので、一度も迷わずに駅にたどり着けたのが奇跡のような感じでした…。





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