ヴィトレ城
Vitre



ブルターニュ地方東部、ヴィトレの町を見下ろすヴィトレ城です。フジェール城やシャトーブリアン城と同じく、かつてのブルターニュとフランスの国境地帯に位置し、外敵に睨みをきかせていました。15世紀に建てられたというノートルダム教会をはじめ、ヴィトレの町は現在でも中世の町並みが残る、素敵なところです。

この地に最初のヴィトレ城が建てられたのは、11世紀のことです。12世紀に一度破壊されてしまい、13世紀から15世紀にかけて修復と改築が繰り返されました。1487年の対フランスとの戦いでは、ヴィトレ城は戦うことなしにフランス軍の前に開城したそうです。16世紀後半には、ヴィトレ城はブルターニュ議会の議場として使用されたこともあるそうです。それぐらいヴィトレの町は栄えていたのでしょうね。その後お城は廃墟になりますが、1820年にヴィトレ市が購入し、1908年から1912年の間に行われた修復によって、現在見られるような姿になりました。現在のお城は、15世紀に改築された際の要素が多数残っているそうです。

お城を良く眺めてみると、城壁や塔の上部の石の色が違っており、最近になって修復されたのが良く分かります。お城を囲む堀は、現在では空掘りになっていますが、近くへ行ってみるとかなりの深さです。また、お城を遠くから眺めてみると、非常に険しい崖の上に建てられているのが良く分かります。この自然の要害を利用するために、築城にはこの地が選ばれたのでしょうね。遠くから眺めるヴィトレ城は、優雅な城館にも見える反面、どんな敵も寄せつけない厳しい姿にも見えます。

現在、城は2つのセクションに分かれており、一部分は博物館として、残りの部分はヴィトレの市役所として使用されています。お城を訪れた時に、お城の正面にある駐車場が満車状態だったので「どうして?」と思ったのですが、城内の市役所に勤める人たちの車だったのですね。なるほどなるほど…。





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