→ back to past diary...  → back to Top...
−2002年8月(前半)−

Aug. 1, 2002 EST (Thu)

最も狭い意味で「同業者」と言えるW氏に我がD論を渡すことに成功。本来ならこんな要修正点だらけの論文でなく、きちんとした形の投稿論文を渡したいところだったが、できてないんで仕方ない。ていうかボスが渡せってうるさくて(笑)。まあ実際のところ、内容がどうこう言う前に、これは単なるコマーシャルというか、俺たちも同様の研究やってるよ、というアピールにしかなってないだろうから別にいいのか。

学会に参加した日本人研究者総勢6人で食事会。これまた多い。"baked clam"という字面からなんとなくあっさりしてそうと想像したのがそもそもの間違い。油たっぷり、しかも貝の間から姿をのぞかせるジャガイモの素揚げがかなりのくせ者。だから多いっての。皆さんご存じの通り、わたしゃ決して小食というわけでもなく、どちらかというと結構食べる方なのだが、どうもこちらの油こってり料理には弱いらしい。あっさり味の和食なんかだとかなり食べられるんだが。
 というか、そもそもアメリカで食事するならば、ウェイターに促されるままにスープからデザートまで律儀に頼むのは間違いの元、と早いところ気づくべきだった(笑)。いや、はじめのスープとかパンは大したことないのよ。しかしそこで調子に乗って食べているとメインで奈落の底に突き落とされると。で、最後に優勝カップもかくやという大きなカップに盛られたアイスクリームで轟沈。

倉田英之「R. O. D 第6巻」読了。なんというか、ヲタク向け007、という感じ。まあはじめっからそうだが。

Aug. 2, 2002 EST (Fri)

学会最終日。さすがに全日程に参加していると最後はだれてくる。内容的にも(ただでさえ学会全体の内容がマイナーなのに)さらに輪をかけてマイナーな話。まあともかく終わりだ。ご苦労さん。

午後からワシントン市内の、空港から割と近いホテルに移動。今日のところはそれほど時間もないし、そもそもめちゃくちゃ暑くて余りウロウロする気にならないので、ホテルまわりをぐるっと歩いてみて、食料買い込んでさっさとホテルに戻る。華氏表示なのでよくわからんが、かなり暑い。35℃くらいには達しているのではなかろうか。湿気が日本よりはやや低いのでまだまし、という程度。

Aug. 3, 2002 EST (Sat)

一日フリー。ワシントン観光。ホテルから30分弱ほど歩くとアーリントン墓地で、そこでしばらく時間をつぶした後、乗り放題の循環バスでワシントン中心部へ。まあ一応宇宙関係の研究者だからして、スミソニアン航空宇宙博物館は外せまい、ということでまずはここへ。パイオニアとかボイジャーとかハッブル宇宙望遠鏡のレプリカ(というか、多分予備機?)に興味津々。惑星の研究成果のところで、何と私の研究分野の話が展示されていて驚く。こんなマイナーなものを。
 あとは、日本では既に「あの人は今!?」的な存在である宇宙飛行士の秋山さんネタが展示されていた。「世界で初めて金を払って宇宙飛行をした人」という、なんだかとてもバブリーな紹介のされ方。日本もこういう時期があったのだね。
 ここでかなり時間を食ってしまったので、あとは同じくスミソニアンの自然史博物館の方を駆け足で。やはり一日では足りない。

ホテルに戻って、近くのレストランで晩飯。おお、サラダバーだ。ここのところ、肉パン肉パン魚パン肉ハンバーガー、と、いかにも体に悪そうな食生活だったのだが、久々に食べる生野菜が旨い。ここぞとばかりに山のようにいただく。

Aug. 4, 2002 EST (Sun) 〜 2002.8.5(月)

朝早くの便でワシントン発。半日以上の長いフライト。

有栖川有栖「幻想運河」読了。この人にしては珍しく明瞭な探偵役が出てこない長編。大阪とアムステルダム、2カ所のバラバラ殺人の絡め方がお見事。
 次。森博嗣「黒猫の三角」読了。文庫版もようやく新シリーズに突入。前に出た短編を読んだときにあたりをつけたのは正しかった模様。ここでも書いたように、確かに登場人物はかなりトリッキィ(森博嗣的表記)だが、であればここはおとなしく「紅子さん萌え〜」とか宣ってればいいのではないかと(笑)。これに限らず、エンターテインメントというのは楽しんだもん勝ちである。まあ、やや切れ者っぷりの現れ方が唐突か、という気がしなくもないが、あれはあれでいいでしょ。小鳥遊練無が男だったのは意表をつかれたが。短編を読んだ限りでは、あれは一人称「僕」の女の子かと思ってたよ。

というわけで夕方に帰宅。休む間もなく、友人宅で花火見物へ。ロケーションがいいということはそれだけ周辺の交通は混雑するわけで、普段なら10分とかからないところを大回りして30分近くかかる。まあ苦労しただけ眺めも良い。とりあえず旧デジカメではさっぱり写らなかった花火の画像も新デジカメならごらんの通り。その後4時頃までダベリモード。さすがに疲れた。

2002.8.6(火)

出張の事後処理、ていうかたまった洗濯物の処理など。暑くてたまらん。乾くのが早くて助かるが。

2002.8.7(水)

夜よく眠れない。暑いのはあまり関係ないようだ。出張時の時差ボケか、とも思ったのだが別に向こうの時間に合っているわけでもない。ていうか向こうでも現地時間に合った生活がちゃんとできていたかというとそんなことは決してなく、昼間眠くて仕方がなかった。単に体内時計が狂っているようである。どうもこの手の補正にかなり手間取る体質のようである。

予備校の夏期講習が近い。いい加減回答例を作らなければならないのだが、さすが入試問題だけあってややこしい。物理的な考え方としては決して難しいわけではないが、とにかくややこしい。制限時間があると途端に解けなくなるタイプの問題。これは訓練がいる。

2002.8.8(木)

前にもちらっと触れたが、9月から隣の研究室の非常勤研究員をやることになったらしいので、その打ち合わせ。この研究室では観測データをデータベース化してインターネットで公開することを考えているらしく、そのデータベース構築の手伝いをするらしい。とりあえずこの研究室の分野については右も左もわからんので、手始めにデータを使いやすいように(日付ごとに、とか)切り分けてメディアに記録する、という作業をするらしい。NASAから送られてくる35GBのテープの内容(これで約1日分)をUNIX上で展開して切り分けて100GBのテープに書き込み、などと、普段自分が使っているのとは桁違いのデータ容量。こんな大量のデータを誰が解析するんだ、という気が非常にしなくもないが。まあ、だからこそアクセスしやすいような形にフォーマット統一して公開するんだろうが。

2002.8.9(金)

予備校の夏期講習の準備。うちの大学の受験者向けの講座なのだが、入試の過去問を解かせてその場で解説するだけという、一見簡単なもの…と思いきや、自分で問題を解くのが結構難しいという罠。うちの入試って結構難しいのね。合否のボーダーラインは6〜7割らしいが、解説する側は必ず満点の答案を準備しておかなければならないので結構面倒。ここは自力で解くのが筋だろう、とはじめは思っていたものの、それだと時間がかかりすぎなので、あっさり主義変更。解説書を見ながら、解法が気に入らないところだけ自分なりにアレンジ。

うちの研究室のポスドクが9月からアメリカに留学するので、その歓送会。回らない寿司屋のお座敷。でも一人\3,500円。安。
 留学先は公共交通機関も通ってないような僻地(ていうか向こうは車社会だからな)なのに普免を持ってないのでどうしよう、というように結構大変らしいが、がんばって欲しいものである。この人、確か自分の研究だけやってりゃいいという身分の人(学術振興会特別研究員)のくせに、余所様の仕事(ボスの研究とか、院生の研究とか、計算機の雑用とか)に追われて「時間がない」を連発しているという、まことに使い勝手がいい不幸の人なのだが、向こうではぜひ自分の研究に専念して欲しいもの。ていうか、彼がいなくなった後、我が研究室でその穴をどのようにフォローするのか、密かに見物である。まあ、私は9月から隣の研究室に出稼ぎに行くこともあって、その手の研究室運営に関しては一歩引いた形で生ぬるく見守ることを決め込む(ていうか今までもほとんどそうだったが)、なんかトラブルが起きてくれると面白そうである(笑)。特に計算機関係とか。その重要性から言って、もっとコストをかけてしかるべきところを、学生の無償労働におんぶにだっこ状態だったツケは今後必ず回ってくると思うのだが。ていうか回ってこい。私は払う気ないけど。

2002.8.10(土)

予備校の夏期講習1日目。100分間を半分に分けて、前半で問題を解かせ、後半で解説、という腹づもりであったのだが、初日からいきなり30分近く時間オーバー(笑)。大問2つ分を50分で解説するのは無理があったか。一日の最後のコマで助かった。しかし、去年までも量的には同じぐらいだったらしいのだが。解説が詳しすぎたか。もう少しはしょっていこう。

2002.8.11(日)

予備校夏期講習2日目。…20分オーバー(だめじゃん)。うちの入試って、考え方が特に難しいわけでもないんだが、無駄にややこしいので解説に手間取るのである。

2002.8.12(月)

予備校夏期講習3日目。相変わらず20分オーバー。もういい。時間通り終了はあきらめた(笑)。

2002.8.13(火)

9月からの研究員業務の引き継ぎを兼ねて、隣の研究室で仕事。といってもそんなに大したものでもなく、テープメディアからワークステーション上にデータを展開した後、ディレクトリ構成を整理して、さらに大容量テープにまとめて保存、というだけのもの。しかも途中の処理については既にシェルが組んであるので、やることと言えばマニュアルに従ってコマンドを打ち込むのみ。データ容量が巨大なので読み書きの待ち時間がやたら多いし、暇と言えば暇。こういう仕事ばかりだと楽でいいのだが。

しかしまあ、ここの研究室の計算機環境の豪華さはなんなんだ。うちとは大違い。組織としてはここの研究室もうちの研究室も同じく研究科直轄の研究センターなわけだが、こうも予算が違うものか。学生にも1人1台専用マシンが研究室から割り当てられているところなんかも、自前で個人持ちPCを準備しないと実質的に仕事にならないうちの研究室とは雲泥の差。やはりこれが、金になる学問と金にならない学問の差、ということか(笑)。資本主義万歳。

予備校夏期講習4日目。予想通り20分オーバー。大問1問目を終わった時点では、こりゃ結構早く終わるか、と思ったのだが結局2問目でだいぶ時間を食う。
 自分の解説が詳しすぎ、ってのはあると思うのだが、実際に問題を解いてみると、うちの大学の入試問題は、(少なくとも物理に限って言えば)解かせる問題量と制限時間の設定がやたらとシビアであるという気がする。入試問題ってのはどこもこうなのか?

コンデンサーの極板上に蓄えられる電荷Q(t) の変化量が、そこに流れ込む電流i(t) に等しい、ってのは直感で何となく分かりそうだが、i(t)Q(t) の時間微分である、ということがわからないと解けない問題を大学入試で課す、というのは、高校物理の範囲から言ってどうなんだろう、と思うがいかに。

2002.8.14(水)

隣の研究室で仕事。この仕事って時給換算なのだが、はじめにテープを読み出すコマンドを入れたら後はほったらかしで自分の研究室に戻ることのできる仕事をどうやって時給換算するのか見物である。

予備校夏期講習最終日。だんだん短くなってきたとはいえ15分オーバー。もう少し講義の仕方を考えた方がいいのではないかと。もう終わりだけど。

というわけでとりあえず一仕事終えた自分をたたえるためにゲームを買いに行く。発売決定時にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!! とまで言っていたかまいたち2は何故かスキップして、バンダイ「機動戦士ガンダム戦記」購入。なんだか今アクションゲームがやりたい気分なのである。先日借りた「連邦vs.ジオン」と比べると一部操作系が変わっていて、敵のロックオンが少々難しくなっているが、まあこれは慣れの問題だろう。連邦側と比べるとジオン側でやったときに火力の弱さに辟易するのも前回と同じ(やはりビーム兵器を持つ機体が少ないのはつらい)。前回はファーストガンダム絡みの話だったが、今回はそれプラスOVAの話(0080、0083、08小隊あたりの、一年戦争絡みの話)が加わっている模様。音楽などの演出が今風で(一部最近のOVAを下敷きにしているので当たり前か)全体的に連ジとは少々毛色が違うが、これはこれで面白いだろう。
 で、問題は…というか私としては歓迎と言えなくもない(笑)のだが、アクション以外の部分が妙にギャルゲーくさいような。司令官と僚機パイロット以外の登場人物が全員女性で、アクション部分の成績によって合間に挟まれる会話シーンが変わってきたり、とか。メニュー部分でその会話のムービーの再生モードがしっかりあるあたりもギャルゲーのフォーマットを踏襲している。この辺、連ジのストイックさと比べると非常に軟派感が漂うな、という感じ。

2002.8.15(木)

実家が帰ってこいとうるさいので帰省。しかし相変わらず実家に帰ってもすることがないので、近所に最近できたらしい中古ソフト屋をウロウロ。暇つぶし用にアスキー「悠久のエデン」を購入。
 このゲーム、発売当時にたまたまメーカーのWebサイトで見かけて、面白そうだからやってみるかと思ってはいたものの、その後一度も店頭で目にすることなく(笑)、その存在ごと忘却の彼方だったのだが、発売から3年の時を経てこんなところでめぐりあい。
 売り文句によると、氷を溶かして水にしたり、逆に水を固めて氷にしたり、というようにしてクリアーしていく「キューブダンジョンRPG」ということで、そういうパズル的要素が強いところが面白そう、と思ったのだが。のだが。のだが…。ええまあ、確かにこのパズル的要素ってのは結構はまれそうなんだが、いかんせんダンジョンの構造がヒジョーに分かりづらい。ポリゴンでできた3Dのダンジョンを視点を回転させて眺めることになるのだが、奥行き方向の表現の違い(濃淡をつけるとか、陰をつけるとか)が全然ないので、例えばはしごが手前の地面についているのか、それとも奥にあるのか、判別不能。視点を回転させて判別しようとすると、90度ずつしか回せないせいで、今度はさらに手前の地面にはしごが隠れてしまったり、とか。回転がせめて45度ずつ、できれば無段階回転できればかなりましだったと思うのだが…。この辺が残念なところ。あとは回転の途中に一瞬だけ見える情報を頼りになんとかするしかないか。
 あとは、まあ、よくあるファンタジー系+ちょっとスチームパンクが入った世界観のRPG。割と好み。複数アイテムをくっつけて新アイテムの発明とか、やり込み要素もあって楽しめそうである。

→ back to past diary...  → back to Top...