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−2003年3月(後半)−

2003.3.16(日)

研究室の追いコン。ここ数年、出るたびに毎回思うのだが、私はいつになったら追い出されるのでしょう(笑)。ていうか、この手のイベントで自分が追い出される身になるのはちょっとなあ、という気がするので(どうもああいうイベントは苦手だ)、どうにかして追いコンなしで研究室を出ていく方法はないものか、と考える日々。
 まあ、ぶっちゃけた話、追いコンされたくなかったら、ある日突然いなくなればいいのだが、ここまで研究室に深く関わってしまうとそうもいかんよなあ。友人の例から考えると、就職決定から実際に出ていくまで2週間くらいなら向こうも手の打ちようがなさそう。それが学会直前でドタバタしている時期だとなおよし、というところか。

2003.3.17(月)

昨夜から今朝にかけて、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の本格的な発現が観測された。この現象をスギ花粉飛散数の時系列データと比較したところ、これらの諸症状の発現時期は、ここ数日の低飛散数(数個/cc)からの急増(〜30個/cc)の時期と非常によい対応が見られることがわかった。このことから、この諸症状はスギ花粉症によるものと推定される。ただし、スギ花粉に対する抗体反応についてはデータの不備により確認できておらず、両者の因果関係については証明できなかった。

↑ 論文Abstract風。まあ、因果関係については、んなもん今更証明するまでもないだろ、という感じ。

2003.3.18(火)

論文読み。ここのところこればかりなのでさぞや読んだ論文がたまってそう、と思いきやそんなことはなく、実際のところ考え事ばかりでほんの数本しか読んでなかったりする。今日は、今年度で卒業の学生の修論を読みつつ、研究対象は違うんだけど何とか話をくっつけられんものか、と黙考する1日。比較論としては面白いと思うんだけども。

2003.3.19(水)

大学で某研究会。仕事がないので見に行くかな、と思っていたら、こういう時に限って突然指令が舞い降りてきたりする。間の悪い。まあ、最低限見たいところだけはちょっと仕事を一休みして見に行ってきたが。
 研究会の方は、うちの分野の研究会には恐らく初登場、と思われる人が来ていた。日食だの流星雨だの、割と一般人も興味を引きそうな天文現象があると、必ずと言っていいほどテレビに登場してコメントするあの人、である。この人の専門は太陽系天体関係らしいのだが、今どきの天文の業界のトレンドは深宇宙関係(太陽系外の惑星発見とか、ダークマターとか、その辺か)らしく、業界の中ではマイノリティとして不遇を囲っているようで。一方で、我々の分野も、一応地球物理の業界に属している割に、やってることは他の惑星の話だったりして、どの辺が地球なのかと突っ込まれること必至な状態である。一応タテマエとしては「人類の手の届くところ(=直接、探査機を送り込めるところ)ならば地球物理」ということらしいのだが、どうひいき目に見ても屁理屈感は拭えず。こんなわけなので我々もマイノリティー。ということで、マイノリティー同士手を組んであわよくば勢力を拡大しようと、まあそういう思惑らしい。
 そんなわけなので、発表内容は全般的に、研究成果がどうこうというよりはむしろ、こんな観測計画を考えているのだが実現のためにはどうするかとか、多額の予算が必要だが納税者の皆様の理解を得るためにはコマーシャルをどうこうとか、などと結構世知辛い話が多かったような。

2003.3.20(木)

研究会2日目。午前9時から開始という、割と早めの時間割だったためか、前日に座長が「皆さん遅刻しないように」などと言っていたにもかかわらず、よりにもよって一人目の発表者が遅刻してくる罠。しかし超大物先生なので、「いや〜バスが渋滞で遅れてね〜はっはっは」とか言われても誰もつっこめない。まあ、そもそもこの研究会がこの大物先生の名前を冠しているくらいだから。言ってみればこの先生のものみたいなもんだから。好きなようにやっちゃってください(笑)。時間になってもやってこなくて、うろたえている我がボスがいとあはれ。

午後からは仕事。今までやったデータ処理の精度を評価するための作業。「できるところまででいいから」などと、さも難しい作業のような言われようだったのだが、実のところデータ読み込んでプロットするだけだったりする。専門外だからといってなめないでもらいたい。

始まっちゃいましたなあ。米の国のボンボン対砂の国のヒゲ。ボンボンのジャイアニズムっぷりは何だかもう、ってな感じだが、とは言っても「戦争はんた〜い」と叫んでらっしゃる方々ほどピュアな考え方をしているわけでもないので、なかなか難しいところ。ま、あれですな、心境としては、

そんな二者択一は成立せんぞ。
「やまと」を否定することとアメリカを支持することは全く別だ!
ピエール・モルガン仏大統領  (かわぐちかいじ「沈黙の艦隊」より)

ってところ。「やまと」を「イラク」に置き換えていただくとよろしいのではないかと。

2003.3.21(金)

長いこと引っ越しをしないと、物がたまりがちでスペースがなくなってくる。まあその辺は頭の使いようでどうにかなるもので。今日も新たなスペースを捻出するべく、カラーボックスを買いにホームセンターへ。ちょうどいいサイズのがあったので購入。これでまた物を入れる余裕ができた。…そしてその分物がまた増える、と。いたちごっこだ。

ブレア首相に比べると、ブッシュ大統領の方が演説のリスニングがしやすい、と感じるのは、ブッシュの英語が流暢でないからか、などと思ったり。まあ、英国英語の発音に慣れてない、ってこともあるのだが。
 しかし、ブッシュの方が聞き取りやすい、とは言うものの、やはり字幕見ながらでないと何言ってるんだかよくわからん。名詞は結構聞き取れているような気がするのだが、動詞がよく聞き取れてないので結局どういう文脈なんだかわからないことが多い。とある英会話本には、have、give、get、make、takeあたりを使いこなせば英会話はOK! などと書いてあったが、やはり演説レベルの内容になるとそうもいかんか。

2003.3.22(土)

実は最近、胡弓という楽器を買ってみようかと目論んでいる。胡弓がどんな楽器か知らない人は、TBSでやっている「ニュース23」のオープニング曲を聴いてみるよろし。バイオリンを中国風(?)にした感じの音色の楽器である。多分、安いのなら数万円くらいで買えるんだろうとは思うが(ピンキリだろうけど)、なにせこの手の楽器(擦弦楽器、というらしい)は全く経験がないので、結構な金を出して買った挙げ句が難しくてろくに弾けずにホコリをかぶって終わり、などという結果にならないとも限らないので躊躇していたのであるが。昔、実家からギターを借りてきたときもそんな結果に終わったという過去もあるし。
 というわけで、せめてどこかで試し弾きでもさせてくれんかな、と思っていたものの、そもそも楽器店に現物がないという、マイナーな楽器にありがちな状態だったのだが、気まぐれで立ち寄った店で「民族楽器組み立てキット」というものを見つけてしまったので速攻購入。こんな感じ。「組み立て」って言うから、穴に差し込むとかみぞにはめ込むとか、その程度のものを想像していたのだが、思いの外本格的な作業を要するので少々意表をつかれる。ボンドでくっつけたりだのナイフで木を削ったりだの。こんな作業久々にやったよ。基本的にこの手の工作作業は苦手な部類に入るので、「うわ変なところにボンドが!!」だのなんだのと悪戦苦闘した挙げ句、(ボンドの乾燥時間含め)4時間ほどで完成。…うわ、ショボっ、などといわないように。いやその感想には 心から同意しますが。
 とりあえず完成したので弾いてみたのだが。…なんとも形容しがたい音色…と呼べるものではないな、あれは。文字にするのが非常に難しいのだが、ナギー とかホゲー とか、そんな感じの音。ちょっと人様に聴かせられるようなシロモノではなく。ネット上で色々情報を漁ってみたのだが、この手の擦弦楽器は、未経験の状態からまともに音が出せるようになるまで数ヶ月ぐらいかかるらしいので、地道に練習するしかないのか。
 ところで、この組み立てキットの説明書によると、「手作りであっても演奏次第でステージでも十分通用します」ということらしいのだが、さすがにそれは言い過ぎではないかと。

2003.3.23(日)

起床して、カーテンを開けた途端にくしゃみ連発、というのは、窓の隙間から入り込んだ花粉がカーテンに付着していたのか、などと考えてしまう花粉飛散量警戒日の本日、皆様いかがお過ごしでしたか。
 とは言え、そのくしゃみ連発の後はあまり症状を自覚することもなく穏やかな一日。どうも今年は症状があまりひどくないような感じなんだが、気のせいだろうか。ティッシュが全然減ってないもの。まさか、ヨーグルトを食べていたおかげで体質が変わったとか、あるある大事典でやってるような結論も考えられなくはないが、それほど頻繁には食べてないし。1日に200gくらい毎日食べると、花粉症の症状が軽くなるらしいのだが。ただ、200gってのは結構な量で、スーパーで3カップひとまとめで売っているような物だと、1カップあたり100g弱程度なので、あれを1日2個食べるくらいの勘定でないといけない。確かに最近よくヨーグルトを食べていたかな、という自覚はあるのだが、それにしたって週に3〜4カップ程度だし。全然足らんよなあ。
 …と、ここまで書いたところでよくよく考えると、もっとも大きな原因はロクに外に出かけないからではないかということに思い至る。今年と比べると去年はかなり症状がひどかった記憶があるが(もっとも、去年はかなり例年に比べて花粉が多かったらしいが)、去年は研究室の学生の観測のつきあいで結構頻繁に山の中に出かけてたこともあり、それが拍車をかけていた可能性もある。今年の場合は、観測に行くために官用車を運転してくれ、という打診は確かに何度か来ているものの、「明日は朝から(隣の研究室で)仕事だから」で突っぱねてるからな。いや実際のところ多少は観測につき合ってもそれほど問題ないと思うのだが。今仕事あまりないし。まあ、隣の研究室の様子など、こっちが言わなきゃ学生にはわかるはずもないので、黙っておきましょ。観測に行こうが行くまいが、給料は同じなので、だったら楽な方がいい(笑)。

2003.3.24(月)

…と書いたそばから、今日はくしゃみ、鼻水、鼻づまり。どうも、単に遅効性だっただけの模様。

週末に来たメールでは、確か午後から今後の仕事内容に付いて打ち合わせ、などと言っていたような気がするのだが、待てども待てども音沙汰なし。大学の教官というと、どうもこの手の「その場の思いつきで予定を立てるも、一晩寝るとすっかり忘却の彼方」というパターンがよくあるような印象があるのだが(って2人しか知らんけどな)、どうにかならんものか。あと、時間を守らない人とかな。象牙の塔の住人はこれだからもう。

空いた時間で、ボスから戻ってきたチェック済み論文を直す。チェック回数はそれなりに重ねているのに、出すたびに直されるってのは、私の英語がよほどまずいのか、と思う一方で、単なる好みの問題ではなかろうか、という気もする。ていうか直すならいっぺんに直して、と願わずにはいられない。ところで、理科系の英語論文の書き方について何冊か本を読んでいるのだが、その内容とボスのチェック内容が矛盾している場合、どちらを信用すべきか、というのはなかなか難しい問題ではある。

フジ系の「プロ野球好珍プレー」の場合だと、大賞をもらうのはゲストでその場に来ている選手のみ、というパターンだが、オスカーは会場に行ってなくてももらえるんだなあ、などとしょうもないことを考えてみたりする。何はともあれ「千と千尋」が快挙達成だそうで。…しかし相変わらず映画の方は未見。前にTVで放送したときは、うちにたどり着いたらラスト10分あたりで、確かに赤いというところだけを確認して終わってしまったのだが。ビデオの録画予約をしていない上に、ラストだけを躊躇せずに観てしまうというあたりに、観る気の無さっぷりが如実に表れているような気がしなくもない。何でかね。ダイジェストを観てても、どうも心に引っかかる物がない。もうちょっと冒険活劇っぽいのが好きなのかもしれない。というわけで宮崎作品といえば「ラピュタ」が一押し。

2003.3.25(火)

ようやく仕事打ち合わせ。こっちの想定していたのとはデータ解析の方法がだいぶ違うため、大幅なプログラムの修正の必要あり。

予備校の祝勝パーティーがあったので、タダ飯を食らいに行く。「祝勝」というくらいだから、当然ながら負けた連中は参加してないわけで、そう考えると世の中なかなかシビアではある。
 この手の集まりだと、「先生合格しました〜」「おお、おめでと〜」というようなやりとりが生徒と講師の間で交わされそうなものであるが(ていうか実際まわりではそういうやりとりは当然ながらあったが)、私の場合まったくなし。いや、別に生徒に相手にされなくてショボーン、というわけではなく、こっちも未だに生徒の顔と名前が一致してないという、予備校講師にあるまじき状態であるため、下手にコミュニケーションを取ってボロが出るのも困るので、なるべく目を合わせないようにしてたんだが(笑)。コミュニケーションといえば、生徒の母親らしき人から「娘が大変お世話になりまして…」とかなんとか言いながらお酌をしてもらったくらいか。まあそれはいいのだが、お母さん、申し訳ないのだがあなたの娘さんは受け持ってないです私。後ろで「お母さん、違う違う」とか言ってるよ。
 とりあえず、どうやら来年度もバイトは続くらしいので、来年度こそは早めに顔と名前を一致させるよう努力する所存。しかしまあ、皆さんどうやって生徒の名前を覚えるんだろうかね。週1〜2コマ分、黒板の前でしゃべってるだけだとどうやっても名前を覚える機会がないんだが。毎週出欠取るのも時間がもったいないし。授業中に指名でもすりゃいいのか。

ちなみに、ここではまだ書いてなかったような気もするが、隣の研究室の仕事の方も、来年度も継続するので、また2足のわらじ状態になる模様。

2003.3.26(水)

データ処理用プログラム組み。この際なので今まで使ったことのない構造体でも使ってみるか、と思ってやってはみたものの、今回の使い方だとあまり構造体のメリットを活かせてないような気も。fprintfなどで、構造体を一括して受け渡しするのはどうすりゃいいのかしらん。ポインタを使うとできるのか? どうもやり方がよくわからんので、「構造体名.メンバー名」をずらずら並べて渡してやったのだが、これじゃメンバーの数の分だけ変数切ってやるのと全然変わりがない。これでは構造体を使う意味がないぞ。

2003.3.27(木)

上司は学会参加中らしいので、指令のあったデータ処理をとっとと終わらせて結果を送りつけたら、後は自分の研究でも…、と思っていたら、メールを送った途端に間髪入れずに次の指令が来てしまっていきなり予定が狂う。どこでメールを読んでるんだかあの人は。

2003.3.28(金)

昨日までやっていたデータ処理を、同様の手法で他のデータにも適用させるプログラム作り。こういう場合、ソースをコピーして、必要なところだけ変更したファイルを何個も作るやり方と、1つのプログラムの中で分岐をつけて多様なデータ形式に対応させるやり方があると思うが、まあ言うまでもなく後者の方が形としては美しいわけで、時間もあることだしとそっちのやり方でとりかかったところがドツボにはまる、というありがちな状態に。余計な時間がかかる。

論文直しはあと一息と言うところなのだが、やはり前々からうやむやにしてきたところがネックになっている。正直、このうやむやにしている部分はいっそのことすっぱり切り捨ててもこの論文の(自分としての)メインテーマは全く損なわれることはない、と思っているのだが、ボス的にはかなり重要な部分らしいのでそうもいかない。こういう、ボスとの見解の違いが困りもの。はやいところ、人に相談しなくても論文を投稿できるような偉い人になりたいもんである。

2003.3.29(土)

4月から新天地に赴任する人の歓送会。…のあと研究室のポスドク2人と2次会。今どきのマスターってどうよ、とか、そのマスター連中にすらなめられてるドクターってどうよ、とか。やつらはこれこれこういうところがいかん、とかなんとか色々しゃべってはみたものの、そういうことについて「なんとかせにゃならん」と思っている2人は両方とも4月でいなくなる人々で、一方で研究室に残る私は「まあ勝手にやれば」な人なので、うちの研究室の未来は大変暗いものと思われる(笑)。…ていうかたぶんぢょしゅ氏の負担が大幅増、だろう。きっと。先日のボスの発言も、今になってみるとおそらくはこのような状況を鑑みてのものであるとも思えるが、私は研究室の運営に関しては傍観者を決め込む所存なので、戦力にはならないものと考えた方がよろしいのではないかと。

2003.3.30(日)

高松宮記念でも観ながら、先日作ったパチモン胡弓の練習など。一応、音階を鳴らせるような状態にはようやく達してきたので、例の「ニュース23」OP曲の一節などを弾いてみる。何だかそれっぽい。しかし、やはりところどころ(というにはちょっと頻度が高すぎ)ギギー などと耳障りな音が。まだまだ精進が足りない。
 しかしまあ、やはりパチモンなだけあって音の感じがどうにもよろしくない。確かに腕の問題もかなりあるとは思うが、腕を磨けばどうにかなるようなレベルの話でもないような気もする。ちゃんとした奴がますます欲しくなってきた。

2003.3.31(月)

一仕事終えたらまたやることがなくなったので、論文直しなど。曖昧だったところは、色々考えてはみたものの、まだ曖昧なまま。元々、使っていた手法が(唯一の方法、とは言え)多分に曖昧な部分を含むのだから、結果が曖昧でも仕方ないんではないかと。
 結局のところ、曖昧は曖昧なんだけど、桁は合ってるからいいじゃないの、とか。いや多分にそういうところがあるのよこの業界(笑)。数倍程度の違いなんて、誤差よ、誤差。

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