「食糧増産援助見直しと途上国への農業協力のあり方を考える意見交換会」のご案内
2003年6月23日
食糧増産援助を問うネットワーク
ODA食糧増産援助(2KR)の見直しにあたり、私たちは外務省に対し市民・NGOとの意見交換の場を設けるよう要請を行ってきました。外務省と協議の結果、下記の日程で第1回が開催されることになりましたのでご案内致します。
なお、意見交換会は今年中に3回程度の開催を予定しております。
●食糧増産援助見直しと途上国への農業協力のあり方を考える意見交換会
【日時】7月16日(水) 18:30〜20:30
【会場】労働スクエア東京 702会議室
(地下鉄日比谷線八丁堀駅下車後すぐ 03-3552-9131)
地図 http://kenshu.e-joho.com/kaigi/rodosquare/
【テーマ】現行の食糧増産援助をどう評価するか
【出席】外務省(無償資金協力課)
援助機関及び援助関係者(国際協力事業団等)
援助受入国(在日大使館関係者)(予定)
市民・NGO(窓口:食糧増産援助を問うネットワーク)
【参加資格】この問題に関心をお持ちの方はどなたでも参加できます。
【参加費】無料
【参加申込】参加人数に限りがあるため、必ず事前申込みをお願い致します。
※事前の外務省との折衝により、意見交換会の参加者は30名を目安としております。そのうち、市民・NGO側の参加人数についてはおよそ半数(15名)になる見込みです。申込者が多い場合は先着順とさせていただきます。
※なお、意見交換会の進行状況に応じて、多数参加できるシンポジウムの開催を外務省と協議していきます。
【お問合せ・お申込み先(市民・NGO側窓口)】食糧増産援助を問うネットワーク(2KRネット)
kr2-net@paw.hi-ho.ne.jp
※(1)氏名、(2)所属等、(3)できれば2KRについての関心などをご記入の上、お申し込み下さい。
【今回の意見交換会の背景と位置付け】
●食糧増産援助(通称2KR:農薬・化学肥料・農業機械を供与するODA)について、外務省は昨年末に「農薬援助の原則中止、予算の60%削減」を骨子とする見直し結果を発表しました。しかし、農業資機材の大量供与に偏重した援助であること、不透明な見返り資金の問題等は何ら解決されていません。
●4月16日、2KRネットは外務大臣宛に「食糧増産援助の見直しについて、私たちの見解と意見交換会の要請」を提出し、途上国の「飢え」の解決のためには資機材の大量供与ではなく、食料難に直面しやすい小規模農民が身近で入手できるローコストの資源(麦藁、稲藁、鶏糞等)を活用し、持続可能な農業生産、食料自給ができるよう、国際的な技術協力を中心とした支援を行うこと、食糧増産援助は廃止して農業協力のあり方をこうした方向に抜本的に転換すべきであること、それらを議論するための市民・NGOとの意見交換会を開催することを要請しました。
*要請文についてはこちらをご参照下さい
http://www.paw.hi-ho.ne.jp/kr2-net/mofa/20030416.html
●一方、4月23日には、外務省改革に関する「変える会」(外部有識者による委員会)が「『行動計画』を中心とする外務省改革の進捗状況に対する変える会見直し状況最終報告」において、食糧増産援助見直しに関して「農薬について原則として供しないとした点は高く評価されるが、今後、被援助国農民の自立を支援する農業協力への転換を図ることが必要であり、この制度を『無償資金協力の環境社会配慮のためのガイドライン』や『ODA戦略会議』等における議論をも踏まえて、廃止の方向で更に検討すべきである」との見解を表明しました。
●5月15日、2KRネットの要請文に対し、外務省から「食糧増産援助の実施について、建設的な意見交換を行うことに同意します」との回答がなされ、意見交換会の開催が決定しました。
*外務省の回答文についてはこちらをご参照下さい。
http://www.paw.hi-ho.ne.jp/kr2-net/mofa/20030515.html
●外務省無償資金協力課は「食糧増産援助の見直しは継続しており、必要に応じて適宜見直す」としています。この見解に基づき、外務省及び援助機関・援助関係者と市民・NGOが意見交換を行い、食糧増産援助をどう評価するか、どういう方向で見直していくのか、これからの農業協力はどうあるべきか、について共通認識を広げていくことが今回の意見交換会の目的です。
【意見交換会の議題、運営等】
●事前折衝において、外務省無償資金協力課山田課長より、意見交換会に対する外務省の基本的な考え方について次のような説明がありました。
「以下の3点を意見交換会の基本的スタンスとしたい。
- フレキシブルに行う。
- お金はかけない。
- 大げさな形ではなく、率直な意見交換が行える形にする。
- 「フレキシブル」とは、例えば回数は3回(註:2KRネットが「3回開催」を要請)にこだわらず、必要があれば4回、5回と継続してよい。
- 予算措置が取れないので、金額負担のない範囲で運営をしたい。
- 意見交換会は誰に参加していただいても結構だが、50人程度の規模になると「議論」ではなく「シンポジウム」的なものになってしまう。意見交換会としては参加人数を30人程度に絞って議論し、何回か実施した段階で、多数参加のシンポジウムを開催してもいいのではないか」
●外務省側の考え方、および2KRネットからの提案に基づき、意見交換会の運営について以下のように合意しました。
- 会合の名称
- 食糧増産援助見直しと途上国への農業協力のあり方を考える意見交換会
- 会合の窓口
- 外務省と市民・NGOとの意見交換会であり、外務省側の窓口は無償資金協力課、市民・NGO側の窓口は2KRネットとする。
- 開催時期と時間帯
- 7月に第1回を開催、継続して年内に3回程度開催(回数、時期は柔軟に対応)。
- 時間帯は平日午後、または夕方以降(18:30〜20:30)。
- 会合規模(参加人数)と会場
- 何回かの意見交換会の後に多数参加のシンポジウムを開催することも想定しつつ、意見交換会は30名程度を目安に行う。
- 会場は外務省会議室、または外部の公共施設(区民会館等)。
- 参加者
- 市民、研究者、NGO、援助関係者、ODA関係省庁の職員等、関心があれば誰でも参加及び発言が可能。参加は事前申込制とする。
- 合計30人を目安として、市民・NGO、外務省、国際協力事業団、援助関係者、援助受入国など、それぞれの参加人数枠を調整する。
- 広報(参加呼び掛け)及び参加者集約
- 外務省、2KRネットがそれぞれ参加の呼び掛け&参加集約をする。
(外務省は援助関係者、援助受入国の在日大使館などに連絡。2KRネットはホームページ等で市民・NGOに呼び掛ける)
- 議題設定
第1回(7月16日) 現行の食糧増産援助をどう評価するか(JICA調査報告書をめぐって)
- 第1回は、JICA調査報告書(昨年11月実施の6ヶ国現地調査と、その後の2KR見直し検討内容の報告書)について、JICA側の説明、2KRネット側からの問題提起を踏まえて議論する。
- 第2回以降のテーマは第1回の議論も踏まえて協議する。
- 毎回の会合の最後に、次回以降の内容について意見交換、確認する時間帯を設ける。
- 会合の進め方
- テーマについて専門的な知見を持つリソースパーソンからのプレゼンテーションを受け、ディスカッションを行う。
- リソースパーソンは各回につき外務省側、市民・NGO側からそれぞれ推薦し、合意のもとに選んだ2名から報告を受ける。
- 司会者
- 議事録作成と公開
- 議事録は2KRネットが作成し、外務省が内容を確認した上で確定させる。
- 確定後、2KRネットホームページに掲載。
- 外務省ホームページに議事のポイントを掲載し、2KRネットホームページへのリンクを貼る。
- 2KR援助受入国(在日大使館関係者)の会合への参加
- 費用
- 会場費は、外部会場を使う場合でも少額(1回数千円レベル)に抑える。
- 会合でのリソースパーソンは、基本的に自費で参加していただける方に依頼する。
- 若干の経費が発生した場合は、外務省・2KRネット両者にて均等に負担する。
以上
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