カーナーヴォン城
Caernarfon


カーナーヴォン城

エドワード1世がウェールズに築いた城の一つカーナーヴォン城は、メナイ海峡の南端、北ウェールズにあります。メナイ海峡を渡るとそこはアングレシー島。この地に城を築くということは、肥沃な土地を持つアングレシー島へのアクセスと、西ウェールズへのアクセスを容易にするという点で、戦略上非常に大切なことでした。まず最初ローマ人がこの地に砦を、その後ノルマン人のヒュー・エイバランチェスがノルマン式の木造の城を築きましたが、その城は1115年ごろウェールズ人によって占領され、エドワード1世がウェールズ征服にやってくるまで、ウェールズ人の城でありつづけました。

エドワード1世の手によるカーナーヴォン城は、1283年の夏に建設が始まりました。彼はこの地を北ウェールズ支配の中心地にするために、大規模な城を築くだけでなく、もともとあったウェールズ人の町を破壊しイングランド人たちの住む町をも作らせました。

カーナーヴォン城は、コンウィ城ボーマリス城と同じようにキープを持たず、塔と塔を高い幕壁で結んだ様式が取られています。城の北側は海に面し、町は市城壁で囲まれていたため、カーナーヴォン城は二重の防壁を持っていたそうです。

イギリス皇太子はプリンス・オブ・ウェールズの称号を持っていますが、その由来はエドワード1世が王妃に王子(のちのエドワード2世)をこの城で生ませ、その子を将来のウェールズ王としてウェールズ人たちに認めさせたことにあります。それ以来、イギリス皇太子の叙任式はこの城で執り行われています。もちろん、現在の皇太子であるチャールズ皇太子も1969年この城で皇太子の称号を叙任されました。

私がカーナーヴォン城を訪れたのは、大学主催の日帰り旅行だったため、カーナーヴォン城を見学するだけの非常にあわただしいものでした。市城壁で囲まれた町は石造りの建物が並んで魅力的だったのに、お土産を買うのが精一杯…。とても見て回る時間が足りませんでした。残念…。



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