エドワード1世とウェールズの城


コンウィ城

ウェールズのお城を語る際に、決して避けては通れない人物がイングランド王エドワード1世です。彼は、1272年から1307年の治世の間に、ウェールズ中(主に北ウェールズ)に強固な城を築きました。

彼が王位についた13世紀は、まだウェールズはケルト系の大小王国が群雄割拠する地方であり、ウェールズを支配下に置きたいイングランドとウェールズ人の王たちとの間で長年のわたって戦闘が行われていました。たびたび起こるウェールズ人の反乱の平定は、イングランド王にとっては頭の痛い問題だったのです。エドワード1世も、ウェールズ併合に成功しますがその後はウェールズでのイングランド支配を確固たるものとするために、新しい城を築いたり、ウェールズ人たちから奪った城を改築したりして、ウェールズのイングランド化を進めました。

エドワード1世がウェールズに作らせたり改築させた城は、前期の作としては、 Flint, Rhuddlan, Builth, Aberystwyth, Ruthin, Hawardenなどがあります。 後期の作としては、Conwy, Harlech, Beaumaris, Caernarfon, Denbigh, Holt, Chirk, Criccieth, Caergwleなどがあります。 名前を挙げただけでも分かるように、多くの城の建設費と対外政策費のため、彼の在位後期にイングランドは深刻な財政不足に陥ることとなります…。彼のウェールズでの最後の城となったBeaumaris城は、財政難のため建設が途中で中止され未完の城となりました。

現在これらの城のうち、Conwy, Harlech, Beaumaris, Caernarfon の4つがユネスコの世界遺産として登録されています。



イングランド スコットランド ウェールズ