練習Tips

あなたの練習に役立つ…かもしれない話。

せっけんシャンプー

余計なブツはイラナイ!

せっけんシャンプーとは?
 ふつうの(そのへんのお肌用の)せっけんで、頭髪を洗うこと。通常のせっけんはアルカリ性なので、アルカリ暴露直後に、食酢やクエン酸の水溶液で中和作業をおこなう。さらに、ベビーオイルに香料を溶かした自作整髪料を楽しむことも。…ヒトによっては「“純せっけん”じゃなきゃダメ」とか脅迫・入信を迫る向きがあるけど、医学的制限ならばともかくエコロジー原理主義や天然物崇拝やブランド信仰に付き合わねばならない理由がなければ、そのへんのせっけんでかまわない、とわたしは思う。
メリット
  •  市販シャンプー&リンスと比較して、余計な化学物質〜とくに保湿剤〜のデメリットから解放される。
  •  首や肩のかぶれ・あせもから解放される。(「化学物質とのアレルギーの結果」かぶれ・あそもな人口よりも、ちゃんとドライヤーで乾かさないで放置した結果「いつまでもジメジメ」で(頭髪にくらべて)乾燥を好むヒフが悲鳴を上げてる、という人口のほうが圧倒的多数ではなかろうか? そりゃ中にはアレルギー由来でかぶれる方もいらっしゃるでしょうけれど)
  •  アタマが軽くなる(バカになるという意味ではない念のタメ)。驚くほど実感できますよ、そりゃあもう。ポニーテール一個分ばっさり切り落としたかと思えるほどに(美籾主観)。
  •  アタマがすぐに乾く。美籾主観で当人比2倍速。ドライヤーでの頭髪乾燥時間が大幅に短縮! 結果、入浴時間や電気代が大幅に短縮。…保湿剤がないのだからアタリマエですナ。
  •  高湿度でもアタマが重くならない。…保湿剤ないのだから当然。海水に漬けあとの生乾きと同様、市販シャンプー&リンス使用では、いつまでもジクジクしてる。
  •  市販シャンプーほど強力ではないので、洗いすぎにならない。髪の毛・ヒフを痛めない。…これはせっけん側の洗浄力不足なのではなく、市販シャンプーが市販リンスのリカバリーを前提として、強引なやりすぎ〜ダメージ出したらリンスでリカバリーすればいいや〜、をやってるから。
  •  あきらかに安上がり。せっけん+酢の通常価格は、特売の市販シャンプー&リンス使用時のそれよりも、どーみても安いでしょ圧倒的に。
  • 「余計な化学物質を環境に排出していない」という、優越感に浸れます。オトモダチに自慢しちゃいましょう(笑)。「生きてること」の現在を少々ですが軽減できます。まぁ宗教的効能はともかく、ふつーの石けんでふつーに落ちるのに、わざわざ環境負荷の高い化学物質を大量使用する必要もなし、それもカネ払ってまで。過不足のない足ルを知る生活、うっとり。
  •  夏場、髪を拭いたあとのタオルが、なかなか臭くならない。…それだけ酢の殺菌力があるってことでしょうね。
デメリット
  •  市販シャンプー&リンスにくらべれば、余計な手間がかかる。ってたいした手間じゃないけどさ。数秒でも手間は手間だわ。しかも毎日のことだから、積算すればバカにできない量になるでしょうよ推測。もっとも、そのタメにわざわざ化学物質を投入してる市販シャンプー&リンス。アドバンテージが出なかったら完全にサギだわさ。
  •  すすぎも、余計にかかる。ってたいした水量と時間じゃないけどさ。わずかとはいえ水道代ほかが以下略。さぁ、ドライヤー時間短縮によるメリットと、水道代増加によるデメリット、どちがらでかい?(そこの環境しだいですね結局)
  •  酢のニオイが気になる…原液はさっさと必要量投入後、フタしましょう。薄めてなお「鼻をつく」というのは、慣れてないか濃すぎかの、どちらかでわ。どーしてもガマンならん場合は、クエン酸水溶液を用いれば、回避できます。酢リンス、クエン酸リンスについては後述。
  •  酢+せっけんカスが、タイルにこびりついて蓄積する。…フロ場の掃除を手抜きするほうが悪い。…中和適量以上に酢を使いすぎてるのかも。
  •  酢リンス後にふいたタオル、乾燥するとごわごわ。柔軟剤の効きが悪い。…中和適量以上に酢を使いすぎてるのかも。
  •  余計な時間がかかる。中和させるのに「寝かす」必要があるから。…濃くすれば時間は短縮できるが、うっかり目や傷口に入るとお祭りになる諸刃の剣。シロウトにはオススメできない。
  •  市販シャンプー&リンスにくらべれば、脂落ちが悪い。だが、スポーツ者にとって、これは逆にメリットになる。洗いすぎを抑止できるので。そもそも汗腺奧にひっかかってる脂を強引に落とすタメ〜「まったく運動しないひきこもりデブヲタが1週間ぶりにフロ入って、粉ふいたギラギラ頭髪脂を、ろくにこすりもせずにカラスの行水で流すだけ」であっても、「鎧袖一触に落とすことができる」くらい〜に強力に作られてる市販シャンプー、そんな強力な薬剤が頭髪にダメージ与えるのはとうぜんで、それをリカバリーするタメの化学物質がゴテゴテ入ってる市販リンス。運動して汗かいて「汗腺奧にひっかかってる脂」が押しだされてれば、「ブチ殺したあとゾンビとして再生? させる」、そんなマッチ&ポンプにつきあう必要はなくなるのですよ。
禁忌
  •  水道水・水質の問題。たいていの日本国内なら問題ないかと。硬水地域(水道水中のミネラル分が多い地域)では、せっけんが発泡しにくい(ミネラルウォーターのVolvicなどで試すと、一目瞭然)。Caイオンなどの+イオンがせっけんのけん化作用(せっけん分子の両端に水と油を電子的に結合させる)を阻害するタメ(高校の化学…記憶の彼方)。
  •  パーマかける“直前”! パーマ液は強アルカリ性。生乾きで酢酸が残留してるとマズイでしょ確実に。って、弱酸性をうたう市販リンスもあるので、こちらも同様にマズイでしょ確実に。いずれにしろ、きちんとすすいでれば問題ないと思う。「せっけんカスが残留してると困る」って話は聞いたことがある。しかし、それはすすぎの徹底で回避できる。残留する「脂肪酸と酢酸の化合物」が、パーマ液に致命的な不都合を発生させるとは思えないし。もしも不都合あるなら、市販のキューティクルケア化学物質はのきなみアウトでしょ。…パーマかけてないので、わたしには分かりません。ごめんなさい。
医学的忌避
 せっけんシャンプーでは、アルカリと酸と、短時間のうちに交互に暴露するわけだから、ヒフが超いちじるしく弱い向きには、やめとけや、ということになるのでしょう推測。寡聞にして知らず。教えてエライ人。
弁護
  •  かなり市販シャンプー&リンスのことを悪く言ったかもしれない。けど、これらが「不要である」とは言ってない。フツーの生活してちょこっと運動してるかぎりでは、での話なのだから。バイクなどに乗り、頭髪がびゅーびゅー烈風にふきさらしになると、水分抜け切っちゃって、バリバリのゴワゴワになる。これが毎日なんて場合は市販リンスで強力に保湿してやらないと髪が壊れる。恒常的に低湿度環境におられる方〜ボイラー作業員さんとか飛行機客室乗務員さんとか〜の場合も、保湿剤でのヘアケアが必要でしょうね。わたしも使うときには使います。
  • 「定性的」にではなく、「定量的」に使う必要がある。「とにかくいいと言われてるのよ」と、市販リンス使って、ヘアケアトリートメント擦り込んで、ムースや油をぬったくって、紫外線カットスプレーして、セットスプレーでコーティング。…通常の市民生活しかしてないくせに、ぜんぶの対策を盛り込み、トイレタリ企業と化粧品メーカのカモになる必要はあるのか(確実にない)。「食い過ぎをやめたら健康になりました」とアナロジーなのかもしれない、せっけんシャンプーの効能わ。
  •  横着したいとき、時間がないとき、気分をかえたいときなどは、さくさく市販品使うべきでしょう。…もっとも、自分にとっては、市販品だと乾燥に時間がかかるので、せっけんシャンプー&酢リンスのほうが「横着」だったりする。
  •  なんにせよ原理主義と墨守はいけないってことで。もっともたいせつなことは、TOtalCostの削減とQualityOfLifeの向上!(…こーゆー企業用語やだな使うの)
実践!
準備
 ごくごくフツーのせっけんと、ごくごくフツーの食用酢。フロ場で酢のガラス容器が損壊した場合、スプラッタな危険があるので、ペットボトルにでも移しておくが吉(お子さんがおられるなら必須)。水道水が硬水である場合は、軟水のペットボトル水を用意する必要が。つかいかけの市販品を廃棄する必要はナシ。来客や、非常時に自分でも使うから、ゴミにはならない。
下洗い
 お湯で、髪に付着したほこりを、おおざっぱに流しておく。積極的に洗う必要はない(キシキシからませるだけだし)。
せっけん洗浄
 個体のせっけんを直接頭髪にからませるのではなく、水多めで溶いて泡立てておく。水が不足だと髪の毛がキシキシ悲鳴だし、あまりに多すぎだと流れちゃう。適当な濃度・泡立て・粘度は、試行錯誤するしか。慣れないうちは、液体せっけんを使うというテも。洗うべきは頭髪ではなく地肌。ゆっくりマッサージして、毛穴の脂を追い出してあげる(これは市販品でも同じこと)。
酢酸濃度
 食用酢を、水道水で薄める。濃度は、濃すぎるとヒフ・目に染みる。薄すぎると中和時間が長くなる。水道水の状態や、頭髪量・質が、家ごとヒトごとにまるきし違うので、定量的にこうだとは言えない。試行錯誤してください。わたしの場合は、直径275mmの洗面器に、水深10mmの水道水を入れて、ミツカン穀物酢をワンショット落とす。「とぱっ」と水平に振るか、「かっくん」と口で言うくらいの秒数のあいだに、垂直→水平→垂直と容器を傾けて戻す、そんな量。「とぽぽ」「だばば」「どぼだば」では入れすぎ。…先述のとおり、これでは濃すぎるかも。
クエン酸リンス
 酢のニオイが気になるむきは、クエン酸水溶液を使うが吉。たいていの薬局・ドラッグストアで売ってるよん。ここ千葉県美梨野市(仮名)での相場は、クエン酸25gで380円(2003年秋現在)。なぜかどこの薬局でも1箱が25g。化学・医学・薬学な業界人か通販でないと、大量に購入できないのかも未確認推測。濃度は、200ml水に小さじ1。これまた自分とこの水道水や頭髪にあわせて試行錯誤してくださいとしか。
浸潤
 上半身を水平0度まで折り、突きだした頭部の後頭部から、ゆっくりと酢酸液をたらす。髪をつたい下に落ちた酢酸液を、もうひとつの同型洗面器で受ける。交互に洗面器を交換しながら、ひたひたと液に頭髪を漬ける。あわてるとこぼしたり、耳穴に液が入る。…ほかに方法があるのかもしれない。タオルにひたしておいて、ターバンする、とか。逆立ちしてアタマを洗面器に漬けるとか(そんな運動したくても、ムリ!)。
中和
「中和完了」の状態は、アルカリ下でけばだったキューティクルが、酸性下でひきしまり、手グシがすんなり入るころ。さきの濃度でさきの方法で、ひたひたに浸して髪束を揉むと、2分程度でOK。
すすぎ
 あはははは。シャワーで豪快に流しちゃえ!(ちまちま浸した反動)
自家製香料
 ベビーオイルに香料を数滴たらし、これを数滴湯にといて、頭髪につける。香りのオシャレを楽しみたい向きに、オススメ。横着したかったら、酢リンス用のお酢に、リンゴ酢を使ったり、液体レモン汁をたらしておけば、てっとりばやい。
乾燥
 完全にドライヤーで乾かす。これは、せっけんシャンプーにかぎらず、市販シャンプー&リンスでも絶対に必要。髪の毛じたいが吸湿材料なのだから。
やったもん勝ち!
というわけで、おためしあれ。