ドバイワールドカップに駒を進めた「キョウトシチー」や有馬記念馬「シルクジャスティス」など多くのクラブの会員募集馬(いわゆる一口馬主馬)が活躍してきました。その馬主はいったい誰でしょう。競馬新聞や競馬四季報を見ると、「(株)友駿ホースクラブ」とか「(有)シルク」と書かれています。これは法人馬主というもので、その会社の代表者が馬主として表彰台などに立ちます。？？？すると、一口馬主というのは馬主じゃないのかというと、残念ながら馬主ではないのです。JRAで馬主になるには、資産や収入（1年間のサラブレッド1頭の預託料だけで700万円以上かかる）などいろいろな審査をパスしなければなりません。当然庶民には手の届かない世界なのです。
では、一口馬主とはなんでしょう？現在、一口馬主という名称は公的には使用されていません。ホースメイトとか愛馬会会員とかクラブ会員と呼ばれています。愛馬会法人の会員というわけです。愛馬会法人は、競争馬を購入し、会員から馬代金や維持会費等を徴収していますが、馬主登録はしていません。実際に馬主登録をしているのはクラブ法人といわれる別組織です。愛馬会は、クラブ法人に馬を現物出資して、クラブ法人はその馬を厩舎に調教を委託してレースに出走させるわけです。で、クラブ法人は賞金を配当金として、愛馬会法人に還元し、愛馬会法人は、それを会員に分配するしくみになっているのです。
何故、こんなにわかりにくいシステムになっているかというと、昭和49年に一部の馬主からの圧力により、一口馬主は名義貸し行為に当たるのではないかと、共有馬制度廃止が決定されたことに端を発しています。その時友駿ホースクラブが弁護士の野島・真部両氏を中心とするスタッフが研究して商法第535条から542条に規定されている「匿名組合契約」を共有馬に適用することを考案し内閣法制局・農林省に報告、承認を得たのです。「匿名組合契約」とは、ある営業行為に対して出資し、その運用によって生じた利益を出資者に分配する契約のことです。会員と愛馬会、愛馬会とクラブの間で結ばれています。
また、大蔵・農林水産省及びＪＲＡの通達「商品ファンド法」により、愛馬会とクラブは法人化されました。「商品ファンド法」とは、商品投資販売業者には許可が必要であることを定めた法律です。ん？商品投資販売？そうです、会員とクラブとの契約は、商品投資販売契約であり、先物取引などと同じように元本が保証されるものではないのです。
難しいことを書いて来ましたが、ようは、「一口馬主」と言っても馬主席や口取り写真には参加できない立場だということ、相場と同じように損をすることもある投資行為にあたるので注意が必要だということ。愛とロマンと希望を持ってあなたも馬を一口持ってみませんか？
※ごめんなさい。以下、工事中です。
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