兵器・武器:
ドラえもんは結構たくさんの武器を持っている。
音と光だけ派手な『こけおどし手投げ弾』から手軽でかなりの威力を持つ『空気砲』、そしてかの有名な『地球破壊爆弾』まで、規模も用途も様々だ。割と普通に熱戦銃や麻酔銃などというのもあるし、変わったところでは『くしゃみ』『ベトベト』『カユイカユイ』等の効果を持ったミサイルもある。
だがそれぞれの兵器の破壊力というのは、ドラえもんの他の事における万能性を思うと大したものではない。SF的に言えば、もっとレーザー銃だの原子分解光線だの、物凄い兵器がいくらでもあり得る。
理由は簡単だ。そもそもドラえもんは本来子守ロボットであり、こちらの方面の能力がさほど優れている訳が無いのである。おもちゃと護身用以上のものは基本的に持っていないと考えていいだろう。
逆に言えば、上記のような武器がおもちゃレベルになってしまうほど、想像もつかない兵器が22世紀世界ではたくさん出回っているに違いない。
ここで問題になるのが『地球破壊爆弾』なる道具である。これは、ネズミ怖さに逆上したドラえもんが「ウヒヒヒヒ」とか何とか言いながら出すものなのだが、文字通り解釈したら到底子守レベルとは言えない。だが、果たしてこれは本当に名前の通りのものなのか?
話が少し飛ぶが、作品中には「未来デパートからドラえもんに道具が送られてくる」というシーンが何度も出てくる。これは即ち、ドラえもんの道具は決して彼専用のオプション等ではなく、普通に流通しているものを買っているということだ。
さて、ここで現代、我々の世界で流通している商品のネーミングを思い返して欲しい。全てのものが名前に謳った通りの働きをするだろうか? 答えはNoだ。詐欺スレスレの羊頭狗肉商品もあるだろうし、洒落でつけたような名前の商品も数多い。特に子供向けの商品では、やたらと豪華な名前がついているものは珍しくない。超合金ロボ(例えが古くて恐縮だが)は、何か特殊な合金でできているだろうか。
つまり私の言いたいのは、『地球破壊爆弾』もその類のものではないか、ということである。見た目は確かに黒塗りの爆弾で物々しいが、それは『子供銀行券(1億円)』みたいなもので、実際はほとんど威力は無いのではないだろうか。
この説ならば、ドラえもんがこんな物騒な名前のものを持っている理由も頷けるし、他の道具とのバランスも取れると思うのだが。