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I、個人事業者の帳簿組織
1 白色申告者の場合
申告には 青色申告と白色申告がありますが、青色申告を選択していない人は全て白色申告となります。
申告用紙が白色だから、白色申告といいます。
かなりストレートな表現です。
青色、白色に関係なく、前年、前々年の事業所得等の合計額が300万円を超えている場合には、簡易な方法でも記帳を行い、帳簿を作成しなければならないことになっています。作成した帳簿は、7年間(領収書等は5年間)保存しなければなりません。
要は、白色申告者でも300万円を超える場合には、最低限の帳簿は作成する必要があります。
青色申告を選択した方がメリットは大きいのです。
2 青色申告者の場合
青色申告は白色申告に比べ、作成しなければならない 帳簿が増えます。
最低限必要な帳簿として、下記のものがあります。
現金出納帳/売掛帳/買掛帳/経費明細帳/固定資産台帳
上記のもの以外は必須ではありません。例えば手形帳などは不要です。
青色申告をしていると、それだけで青色申告特別控除という制度を利用できます。
これは青色申告を用件に10万円ないし65万円を事業の経費に加算できます。
記帳の手間代みたいなものでしょうか。
その他にも青色申告であることにより、いろいろな特典を利用できますので、できるならば青色申告をおすすめします。
上記帳簿を備えた場合は10万円の青色申告特別控除控除を受けられます。
65万円の控除を受けるには、複式簿記による記帳が必要になってきます。
複式簿記により記帳を行い、貸借対照表・損益計算書を作成し、申告書に添付すれば65万円控除が適用できるのです。
10万円控除を受けるための経理と65万円控除を受けるための経理ではかなり難易度がちがってきます。65万円控除を受けるのに必要な複式簿記は、手書きで帳簿を作成するならば、 簿記で記帳の基礎を学んだ方でないと作成不可能ともいえます。
しかし、今は安価な会計ソフトがたくさんありますから、それを上手く使えば簿記の知識がない方でも十分作成可能です。パソコンに苦手意識がなく、やる気のある方なら、必ずできると思います。
慣れないうちは大変かもしれませんが、導入前後の苦労を乗り切れば、あとは何とかなるでしょう。弊所でも会計ソフト導入サポートを行っていますので、導入に悩んでおられる方は、ぜひ1度ご相談ください。
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II、法人の帳簿組織
法人にも白色申告と青色申告がありますが、実務的には法人=青色申告です。
個人とはまたちがった特典もありますし、法人の場合は税理士と定期的な接触がある場合がほとんどですので、みなさん複式簿記から帳簿を作成されます。
ですので、法人の帳簿組織は企業の規模や業態に応じて異なりますが、基本的には複式簿記から作成される帳簿ということができます。
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自社で記帳・経理処理をする場合、その手段は大きく2つに分かれます。
- 手書き帳簿
- パソコン会計
今は便利な会計ソフトが安価で入手できますので、自社で記帳・経理処理をするなら パソコン会計が基本!と私は思っています。
パソコンによほどのアレルギーがない方であれば、是非とも導入すべきです。
とはいえ、いざ導入しようとすると、どのソフトがいいか分からなかったり、勘定科目や消費税の設定等の初期設定でつまずく方も多いです。
実際の導入にあたってのポイントは下記のようになります。
- 導入は期首から(期の途中で導入すると、帳簿が混乱しやすいです)
- 各メーカーのサンプル版の申し込み(実際の使い勝手を体験しましょう)
- 初期設定は専門家に依頼
慣れてしまえば、経理専門者でなくても使いこなせるようになりますが、初期段階では試行錯誤の連続ですから、サポートしてくれる専門家を利用した方がよいように思います。
経理の合理化を目指されるならば、パソコンの導入は不可欠です。
経理部門の見直しを考えておられるならば、ぜひ導入しましょう。
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事業者は個人であれ法人であれ、日々の取引を記帳しなければなりません。
どういう形で記帳をするかは大きく3つに分類できると思います。
- 自社では記帳せず、アウトソーシング
- 自社で記帳、外部にチェックを委託
- すべて自社で完結
ところで、記帳って何のために必要なんでしょうか?
- 税務署に毎年申告をするため。
- 銀行に借入の資料として提出するため。
- 取引先に取引開始のために提出。
上記の理由も経営上は重要なことだと思います。
しかし、記帳が必要な最大の理由は会社が自社の状況を把握し、適切な経営判断を行うため、だと思います。
会社のためにこそ記帳はある、といえるのではないでしょうか。
そして変化の早い現代社会では迅速な対応・判断が求められており、経営者は自社の状況を早い段階で的確に把握しなければなりません。
そのためには自社で経理処理をすることが望ましいのです。
現在は会計ソフトも発達しており、以前と比べるとかなりの低コストでスピーディな経理処理を行うことが可能になっています。
そういう点でも、可能であれば自計化されることをおすすめします。
ただ、それはすべての企業に当てはまるわけではありません。
人員的な問題や適正の有無といったことは確かにあります。
わたし自身、過去にお客さまに会計ソフト導入を勧めたものの、途中で頓挫してしまった経験も持っています。
ですので、導入の是非等につきましては、事前に専門家に相談し、いろいろシュミレーションされたらいかかでしょうか?
もちろん、弊所もご相談に対応させていただいております。
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記帳業務のほとんどはルーティン・ワークだといわれています。
記帳業務の大部分は日々の繰り返しの作業で終わっているということです。
そして、記帳業務そのものからは会社の利益は生まれてきません。
利益は社外のお客さまから生じるものなので、内部作業である記帳処理では儲けを得ることはできないのです。
そこで利益を生まない会計処理を効率化しようという発想が最近は流行しています。
わたしも、単純作業である記帳処理にはあまり手間をかけない方がよいと思います。
では、記帳を効率化する最大のポイントは何でしょうか?
言いかえると、記帳に手間がかかっている一番の理由はなんだと思われますか?
答えは・・ 現金の管理です。
現金が毎日増減していれば、現金出納帳を書いて残高を確認しないといけません。
もちろん、まとめて数日分を記帳してもよいのですが、それを始めると多くの場合、現金残高が合わなくなってきます。
経営者のお金と混ざってしまった。領収書を1枚なくしていた。
他にもさまざまな原因により、会社としての現金残高が分からなくなってきます。
それだけに、現金の管理・残高確認が完璧ならば、会計処理の大部分は終了しているともいえます。
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パソコン会計を導入した会社でも、手書伝票は根強く残っています。
手書で作成した振替伝票からパソコン入力をする会社も多いです。
せっかくパソコンを導入したのに、このようなことになってしまうのは、なぜなのでしょうか?
原因には下記のようなものが考えられます。
- 経理担当者が昔からのやり方を変えたくないため。
- 知識不足でパソコンを使いこなせていないため。
- 手書伝票を作成しないと、上司の確認印がもらえないため。
上記のうち、最後のものはともかく、残りの2つは大いに改善の余地があります。
以前は経理の仕事は専門職と見られることが多かったのですが、パソコンの発達により、今では経理は一般職になったといわれるほどです。
それに、せっかく導入するなら活用しないともったいないですよね。
また、振替伝票は税法上も保存が必要な帳簿には 含まれていません。
領収書や請求書などの原始資料から直接パソコンに入力し、仕訳日記帳と総勘定元帳を出力して保存しておけば、振替伝票は省略可能なのです。パソコン会計をもっと活かしましょう。
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税理士として会計処理のことで非常によく聞かれるのが、
「勘定科目は何を使えばいいのでしょう?」
という質問です。
今まで経験したことのない取引や商品購入があった場合、経理の方が悩まれるお気持ちはよく分かります。
しかし、金額的に少額の経費について科目に悩むというのは大きく時間をロスしているともいえます。
少額であれば、経営判断にも影響しないでしょうし、税務的には勘定科目の種類はまず問題になりません。
極端にいえば、給料を消耗品費で処理しても、その処理が否定されるということはないのです。
勘定科目には必要以上にこだわらないようにしましょう。
また、勘定科目が多すぎる企業もよく見かけます。
科目が多すぎると会計処理も手間取るし、情報が細かすぎるのも経営判断や状況把握には不適切です。
特に基準はありませんが、思い切って勘定科目を減らすことも検討してみてください。
きっと、効果があると思います。
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現金管理の大変さは経理処理を煩雑にする大きな原因の一つです。
では、どうしたら改善することができるのか?
答えは、できるだけ現金を動かさないようにすること、です。
それができたら苦労しないよ、という方もおられるでしょうが、工夫の仕方次第では、かなりのやり方を変えることができるのです。
即効性があり有効なのは、 少額経費の立替払いと銀行の活用です。
まず少額経費の立替払いというのは、会社が経費支払い時にお金を出さず、社長なり従業員なりに個人のお金で立て替えて払ってもらう制度です。
立て替えてもらったお金は月に1〜2回精算(理想は月1回)します。
月1回の支払いを給料の支払いと同時にしたとすれば、会社としては一切現金を動かす必要がありません。
会計伝票も精算の際に1度処理すればよいだけですから、業務が大幅に改善します。
この立替経費の活用は非常に効果があるのですが、詳細に述べると膨大な量になってきますので、詳細についてはお問い合わせください。
もう一つ、銀行の活用というのは、振込・引落への切り替えとネットバンキングの導入が大きな柱です。
今まで現金で回収・支払をしていたものを振込・引落に変えると、現金管理が不要になります。会計処理も通帳を見ながらまとめて処理できます。
さらにネットバンキングも導入すれば、銀行へ行く時間も省けます。
その浮いた時間を営業や商品開発に回せば、さらなる業績拡大のチャンスにもつながります。
上記の改善は比較的容易に行うことができます。
貴社も現金管理の効率化に取り組んでみませんか?
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いろいろ述べてきましたが、会計処理の合理化はその気にさえなれば、必ず実現することができます。
合理化を真剣に検討されるならば、まずは実行してみてください。
試行錯誤を重ねる中で、過去の方法を少しづつ修正し、気づいたら大幅な改革が進んでいた、ということも少なくありません。
経理の合理化という目的意識があり、真剣に取り組んでいただくことで、必ず結果はついてきます。
弊所も全力でサポートしますので、ぜひ貴社も経理の合理化を達成してください。
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これまでご説明してきました通り、最近は経理の合理化・簡素化がしきりにいわれています。
しかし、簡素化と同時に内部管理をどうするかも、会社の組織を考える上では重要なことです。
経理はお金に深く関わる仕事だけに、お金をめぐる不正も発生しやすいといえます。
わたしも、この仕事を始めて数年経ちましたが、毎年1回はどこかの会社で経理担当者の不正を経験しています。
それが数万円単位ならまだいいですが、億を超える不正もありました。
会社として不正を防止する仕組み作り(これを俗に内部牽制といいます)は大切です。
ポイントとしては下記の2つに集約されると思います。
- 取引の処理に複数人が関わる
- 取引記録を作成し、チェックする。
経理にものすごい人数をかけて、何重ものチェックをすれば、確実に不正は減るでしょう。
しかし、それは多額の人件費を必要とすることでもあり、経理の簡素化どころではありません。
内部管理にどこまで費用をかけるか、費用を削った部分はどういうリスクがあるかの見極めと判断は、経営者が決断するしかない、というのが結論ではないかと思っています。
以下、内部牽制の例と限界をご説明します。経理のシステムをどうするか、ご一考いただければと思います。
< 内部牽制制度の導入例 >
- 日々収入する一切の現金および小切手は、できるだけ当日又は翌朝とりまとめて処理すること。
- 現金収入について必ず領収書を発行すること。領収書は市販のものは使用せず、連番入りの自社の領収書を作成し、書き損じは領収書控えと共に、斜線を引き保管すること。
- 支払いはできる限り小切手、振込で行い、相手方から必ず領収証を受取ること。領収証の受取が不可能なときは、責任者の承認を受けた支払証明又はこれに準じる証憑を作成すること。
- 現金払いによる日常の少額経費は、定額前渡制による小口現金制をとること。
- 回数券・切手・印紙・プリペイドカード等、換金性の高いものは、購入者と管理者を別に定め、管理者は受払簿を作成すること。
- 現金出納帳の残高は、毎日、現金手許有高と照合する。銀行預金出納帳の残高は少なくとも毎月1回残高証明書と照合する。両者不一致のときは差額説明書を作り、その理由を明らかにしておくこと。
また現金及び預金取扱担当者に、物品出納等の記帳事務を行わせないようにすること。
- 各職員の職務分担及び権限を明確に定めること。
- 特定の事務を、1係員の絶対的支配下に置かないこと。
- 代表者印・小切手の使用印等は、承認された以外の者に保管又は押印させないようにすること。また、小切手作成者と印鑑保管者を兼ねさせないこと。
- 物品の出納保管を仕入、販売担当者と物品入庫出庫担当者に分署させ、記帳事務を行わせないようにすること。
- 物品の出納に当たっては、それぞれの物品の受払帳を設けてその出納を明らかにするとともに、随時照合して実地棚卸を行うこと。
- 各補助簿の残高の合計と、総勘定元帳の残高とを毎月1回照合すること。
- 毎月1回残高試算表を作成し、複数人で確認・閲覧すること。
< 内部牽制の限界 >
- 経営者自身による不正は発見・防止できない。
(注)経営者とは実際の経営者だけでなく、経理担当者等に指示できる立場のものも含む。
- 担当者同士または取引先と担当者との共謀
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記帳代行を会計事務所に任せていませんか?
会計ソフトの発達もあり、最近は自社で経理されている会社が圧倒的に多くなっています。
外部に記帳代行を任せると、会社の業績の把握が遅れたり、資金繰りがいつまで経っても理解できないという弊害が生じます。
できる限り会社の経理は自社で行なうようにしましょう。
われわれ税理士の仕事も記帳代行から記帳指導や経営相談へと変貌しつつあります。
自社で記帳する場合は会計ソフトが必須といえますが、中小企業向けということで4つほどご紹介します。
いずれのソフトもグレードが数種類ありますが、いちばん安いソフトで十分対応できると思います。
わたしはどれか一つといわれれば、財務応援をおすすめしています。
理由は二つありまして
1.入力画面が大きいので見やすい
2.ソフトの動きが早く、入力が早くできる
からおすすめできます。
多くの会計事務所は弥生会計をすすめているようです。
それは販売代理店になっていて、お客さんに購入してもらうとマージンが入るという理由もありますし、単に他のソフトを使ったことがないとか理由であることが多いです。
ただソフトを選ぶのはお客さま自身ですので、お客様が使いやすいものがいちばんいいと思います。
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〜税理士は税務会計の専門家です〜 |
記帳代行を誰かに依頼したいと思ったときに誰に頼みますか?
おそらく税理士に頼もうという方がいちばん多いのではないかと思いますが、税理士の他にも記帳代行会社や行政書士などに依頼されている方も少なくありません。
記帳代行は、記帳ができる人なら誰に頼んでも同じなのでしょうか?
実際には、依頼相手によってかなり違ってきます。
どこが違ってくるかといいますと、依頼先が税理士であるかどうかによって違いが出てくるのです。
まず税理士以外に記帳だけを依頼されても、決算業務まではできません。 所得税や法人税などの税務申告書は法律によって税理士のみ作成できることになっています。
ですので、税理士が運営している記帳代行会社であれば問題はありませんが、単なる記帳代行会社ですと、決算のときには別途税理士を頼まなくてはなりません。
ご自分で探されるのでしたら手間がかかりますし、記帳代行会社と提携している税理士ですと、自分と合う税理士かどうか分かりません。
また記帳代行会社は税法の知識のない入力担当者が処理をしていることが多いので、決算のときに かなり修正が入るおそれがあります。
例えば利益が50万くらいと見込んでいても、経費処理していたもののうち50万円は経費として認められないというようなことが起こる可能性があります。
それでは決算対策に狂いが生じますし、納税資金の準備にも不安が残ってしまいます。
そして、税理士に頼むと会計を経営に結び付けて考えることができます。
試算表の見方や会社の数字のどこに問題があるかといった経営に活かせる情報を、いろいろ引き出すことができるのです。 節税のアドバイスも受けられるでしょう。
一般的には税理士事務所の方が記帳代行会社よりコストが高いですが、 トータルで考えるとお得なのではないかと思います。
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